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工務店の採用にインスタを使う手順|大工・現場監督の応募導線

大工・現場監督・設計・営業の応募をインスタで増やしたい工務店の経営者・採用担当の方が、何を投稿し、どこから応募につなげ、求人の書き方で何に気をつけるべきかを判断できるようにまとめた記事です。

お施主様向けの集客投稿の考え方はこちらの記事で扱っています。ここでは、求職者に向けて何を見せるか、応募までの導線、求人の表示ルール、社員の顔出しに対する同意取得に絞って解説します。制度や仕様の記述は、2026年10月時点で本文を確認できた公式情報に基づきます。

工務店の採用で、インスタに任せる役割を先に決める

インスタに任せる役割は、応募を検討し始めた人に、働く現場と先輩の姿を見せることです。給与や休日といった募集条件の正本は、求人サイトや自社の採用ページに置きます。

建設業は、若い就業者の割合が他の産業より低い産業です。『国土交通白書 2025』は、総務省『労働力調査(基本集計)』をもとに国土交通省が作成した図表で、2024年の29歳以下の割合を全産業16.9%に対して建設業11.7%、55歳以上の割合を全産業32.4%に対して建設業36.7%としています(出典: 国土交通省『国土交通白書 2025』)。同じ白書は、若年層の割合が低い要因の一つに長時間労働を挙げています。数字は建設業全体のものです。大工だけを数えた数字ではない点に注意してください。

条件は文章で確かめられても、現場の空気や先輩の話し方は文章だけでは伝わりません。写真と動画で見せられるのがインスタの強みです。一方で、投稿に募集条件のすべてを載せようとすると、後ほど説明する表示のルールへの対応に追われ、更新の負担が重くなります。条件の正本は採用ページ、インスタは判断材料と入口、と役割を分けておくと、運用を続けやすくなります。

工務店の採用で、インスタ・求人サイト・紹介の役割を分ける

手段ごとに任せる役割を決めておくと、投稿に何を載せ、何を載せないかの基準が決まります。

手段 任せる仕事 インスタとのつなぎ方
求人サイト・ハローワーク 募集条件を載せる、応募を受け付ける 求人票の会社紹介欄に、採用用アカウントのIDを書く
自社の採用ページ 募集要項の全項目、応募フォーム、問い合わせ先 プロフィールのリンク欄の先にする
社員・取引先・協力会社の紹介 人柄の紹介、条件の個別相談 紹介された人が会社を確かめる先として、現場の投稿を残しておく
インスタ 現場、先輩、育成の様子を見せる 条件は書き切らず、採用ページへ送る

この表のとおり、インスタが担当するのは「応募のきっかけ」と「応募前の確認」です。「条件を載せる」と「応募を受け付ける」は、求人サイトか採用ページに任せます。

集客用と採用用のアカウントを分けるか、5項目で決める

採用用アカウントとは、求職者に向けた投稿だけを置く専用アカウントのことです。お施主様向けの集客用アカウントとは、見せる相手も、載せる中身も違います。分けるかどうかは、次の5項目で判断します。

項目 1つにまとめるほうが続く場合 分けたほうがよい場合
採用の頻度 採用は年に1名前後で、募集期間も短い 複数名を通年で募集している
投稿を作る人 集客用と同じ担当者が兼任している 採用側に、現場監督や若手社員など別の担当を置ける
お施主様への見え方 採用の投稿が集客用のフィードに並んでも問題ない 見学会の告知や施工事例の流れを、採用の投稿で途切れさせたくない
撮る素材 集客用に撮った現場写真をそのまま使える 育成、休日、先輩の話など、採用のために撮る素材が多い
募集の時期 募集期間以外は、採用の投稿を止める 募集がない期間も、働く様子の投稿を続ける

「年に1名前後」のように数字を入れた欄は、この記事での目安です。基準を定めた資料があるわけではないので、自社の採用計画に合わせて読み替えてください。決める順序は次のとおりです。

  1. 来年度の採用予定人数と、募集する時期を決める。
  2. 採用のために新しく撮る素材が月にいくつ作れるかを、現場監督と確認する。
  3. 投稿を作る担当者を決める。決まらない場合は、分けずに1つにまとめる。

担当者が決まらないまま分けると、片方のアカウントの更新が止まることがあります。更新の止まった採用用アカウントを、応募を考える人が開く場合もあります。担当が確保できるまでは、集客用アカウントの中で運用するほうが、新しい投稿のある状態を保ちやすくなります。

アカウントを1つで運用する場合と、分ける場合の運用

1つにまとめる場合は、ストーリーズのハイライトに「採用」の枠を作り、募集職種、1日の流れ、先輩の話を保存します。プロフィールの文章に「大工・現場監督を募集中」のように募集職種を書く場合は、後述する6項目の扱いを先に決めておきます。リンク欄の先を採用ページにするか見学会の予約ページにするかは、いま優先したい成果で決めます。

分ける場合は、アカウント名に「採用」の語を入れ、集客用と見分けがつくようにします。集客用のプロフィールには採用用アカウントの案内を1行、採用用のプロフィールには会社の所在地と集客用アカウントの案内を置きます。Instagramのヘルプには、1つのアプリに複数のアカウントを追加して切り替える手順が載っています(2026年10月時点。Instagramヘルプ)。

分けるときに先に確かめたいのが、ストーリーズのリンクスタンプです。Metaの2021年10月の発表では、リンクスタンプは全利用者に順次導入するとされ、新たに作成されたばかりのアカウントなどは使えないと書かれています(出典: Meta公式発表(2021年10月27日・米国時間))。現在の条件はアプリで変わっている可能性があります。採用用アカウントを作った直後は、ストーリーズの編集画面でスタンプの一覧にリンクがあるかを確かめ、使えない間はプロフィールのリンク欄に応募先を置きます。

職種ごとに、応募前に見せる投稿を決める

大工、現場監督、設計、営業では仕事の中身が違うため、応募前に確かめたい材料も違うと考えて、投稿を分けます。同じ現場の写真でも、誰を主役にして何を写すかを、職種ごとに変えます。

職種 応募前に確かめたい材料 投稿の例 避けたい見せ方
大工 技術を身につける順序、任される作業、道具代の扱い、休日 墨付けや加工の手元、入社1年目と3年目で任される作業の違い 完成写真だけを並べ、誰がつくったのか分からない
現場監督 担当する現場の数、職人との段取り、工程管理の実際 朝礼から検査までの1日、工程表を組み替える場面 「やりがい」の言葉だけで、仕事の中身が見えない
設計 要望を図面にする流れ、現場との関わり、使う道具 打ち合わせの様子、図面が現場で形になる過程 完成した外観写真だけを載せる
営業 お客様との関わり方、見学会の運営、評価の仕組み 見学会の準備、お客様の質問に先輩が答える場面 契約実績を誇示し、根拠を示さない

表の「応募前に確かめたい材料」は、判断に使える情報の候補です。社内で答えを用意できるものから発信し、入社1年目に何を任せるかのように答えが決まっていないものは、先に社内で決めておきます。

大工の採用は、インスタで育成の道筋が分かる順に見せる

大工の応募を考える人が判断に使える材料は、次の5つに分けて撮る方法があります。

  • 道具と手仕事: 墨付け、刻み、加工機の扱いを手元中心に撮る。道具代を会社が負担するなら、その事実を写真とあわせて載せる。
  • 育成の順序: 入社1年目に任せる作業と、3年目に任せる作業を、先輩の言葉とあわせて見せる。
  • 1日の流れ: 朝の段取りから片付けまでを、場面ごとに1カットずつ撮る。
  • 休みと働き方: 休日、雨の日の扱い、繁忙期の働き方を、実際の様子で見せる。条件そのものは採用ページに書き、投稿では実際の様子を見せる。
  • 失敗と直し方: 新人が失敗した加工とその直し方、先輩が教えた順序を、施主や協力会社が特定されない社内の作業場の例で見せる。

未経験の人を受け入れるなら、最初の1か月で何を教えるかを写真と文章で示します。教える内容が決まっていない会社は、投稿を作る前に社内で決めておきます。投稿で見せた育成の流れと実際の育成が違う場合、入社した人が期待との差を感じるおそれがあります。

一人を深く描く投稿も有効です。たとえば入社3年目の大工が、上棟後の造作を任されるまでの1週間を5枚で見せる、という構成です(仮の例)。本人の同意を取ったうえで、何を任され、何に迷い、先輩がどう助けたかを、完成した写真と一緒に載せます。

1日の流れの投稿は、撮る場面から決める

1日の流れは、リールやストーリーズにしやすい題材です。撮影の前に、撮る場面と注意、撮影担当と撮る時間を決めておく手順にします。次の表は、その確認項目の例です。

場面 撮るもの 撮影前に確かめること
朝礼・段取り その日の作業の確認、先輩と新人の会話 映る人全員の同意があるか
作業中 手元、道具、加工の途中 高所や重機のそばで撮らない。撮影役を作業から外す
昼休み 道具の手入れ、休憩の様子 私物や、第三者が写り込んでいないか
片付け・終礼 清掃、翌日の段取り 現場の住所が分かる看板や表札を写さない

施工中の住宅の撮影と投稿は、お施主様と現場の管理者に確認します。了解を得ていない現場は、投稿に使いません。完成前でも住所が特定できる表示は避け、近隣の方や協力会社の方が写り込んだ場合は、その部分を切り取るか、使わないことにします。

現場監督・設計・営業の投稿は、仕事の判断が見える場面にする

現場監督は、工程表を組み替えて職人の手配を変える場面や、検査で指摘を受けて直す場面を出します。設計は、お客様の要望を聞いて図面に落とす打ち合わせを、営業は、見学会の準備とお客様の質問に答える場面を出します。完成写真だけでなく、判断の過程を見せることで、入社後の仕事が想像しやすくなります。

見学会の準備の場面は、採用にも使える素材です。見学会の運営そのものはこちらの記事で扱っています。見学会で撮った素材を採用の投稿に流用するときは、来場されたお客様が写り込んでいないかを確認します。

応募までの導線を、プロフィールから逆算して作る

応募の導線は、投稿を見た人がプロフィールを開き、リンクから採用ページへ進み、そこで条件を読んで応募する流れです。この流れのどこかで止まると、投稿が良くても応募は増えません。止まる場所を、プロフィール、リンク、採用ページの順に点検します。

プロフィールに書く項目とリンクの置き方

プロフィールの文章は、文字数に限りがあります。次の項目を優先して書きます。

  • 会社名と所在地(市区町村まで)
  • 募集している職種(例: 大工、現場監督。書く場合は後述の6項目の扱いに従う)
  • 応募先(「プロフィールのリンクから応募ページへ」)
  • 連絡先(電話番号またはメールアドレス)

6項目をプロフィールの文字数に収めにくい場合は、募集職種を書かずに採用ページへの案内だけにし、募集の内容は6項目を載せた投稿か採用ページに置く方法があります。

リンク欄には、採用ページを1つ置きます。見学会の予約ページと採用ページを同じリンク欄に並べる場合は、どちらが採用の入口かが名前で分かるようにします。ストーリーズのハイライトには、「募集職種」「1日の流れ」「質問への回答」の枠を作っておきます。

工務店の求人をSNSで出すとき、投稿に載せる6項目

投稿で募集を呼びかけるときには、募集主の氏名(名称)、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金の6項目を、その投稿に載せます。厚生労働省は、職業安定法第5条の4が、インターネットやX等のSNSを含む広告等で労働者の募集に関する情報を提供するときの、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁じていると説明しています。そのうえで、誤解が生じないよう6項目を必ず表示するよう求めています(出典: 厚生労働省「労働者の募集広告の表示について」、2026年10月時点)。

同じページの募集主向けQ&Aには、工務店が求人の投稿を作るときに直結する回答が3つあります。

  • 6項目が載った会社サイトの募集要項へのリンクだけでは足りず、募集情報を提供する広告等そのものに6項目を載せる必要がある。
  • 住所は、ビル名、階数、部屋番号まで書く必要がある。
  • 連絡先は、電話番号、メールアドレス、自社サイト上の専用問い合わせフォームへのリンクのいずれかを書く必要がある。SNSのメッセージ機能で送付先を示してよいかという質問への回答として、示されている。

3つ目の回答に照らすと、「応募はDMで」とだけ書いた募集投稿は、連絡先の要件を満たしません。DMを窓口に加えることを禁じる記載は同ページにありませんが、電話番号かメールアドレスか専用フォームのリンクを、あわせて書く必要があります。

業務内容、就業場所、賃金は、労働条件の明示ほど詳しく書く必要はないとされています。Q&Aには、就業場所は「雇入れ直後の就業場所」のみでも、賃金は「時給1500円~」の形でも、記載があれば直ちに職業安定法第5条の4違反とはならないと考えられる、という趣旨の回答があります。ただし個別の判断になるため、迷う場合は都道府県労働局かハローワークに確認します。

6項目 工務店の投稿での書き方(記載例。会社名・金額は仮)
募集主の氏名(名称) ◯◯工務店株式会社
住所 ◯◯県◯◯市◯◯町1丁目2番3号 ◯◯ビル2階(ビル名・階数・部屋番号まで)
連絡先 電話 ◯◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯ / メール ◯◯@◯◯ / 採用ページの問い合わせフォームのリンク(いずれか)
業務内容 木造注文住宅の大工工事(造作・仕上げ)
就業場所 雇入れ直後は自社作業場と◯◯市内の現場
賃金 日給 ◯◯,◯◯◯円~(経験により決定)

厚生労働省の通知(令和6年12月18日付、職業安定法第5条の4第1項で求めている内容について)は、求人または労働者の募集に関する情報を広告等で提供するときに、この6項目を含めることを求めています。現場の紹介だけの投稿が募集に関する情報に当たるかどうかの線引きは、読んだ資料に書かれていませんでした。応募先や募集職種を載せた投稿には6項目を入れ、判断に迷う投稿は管轄の労働局かハローワークに確認します。運用例としては、募集を呼びかける投稿の最後のスライドに6項目を画像で入れ、キャプションにも文字で書いておく方法があります。

採用ページに載せる労働条件と、2024年4月に加わった3項目

労働条件の明示とは、募集の段階で、求職者に対して業務内容や賃金などの労働条件を示すことです。厚生労働省のリーフレット「求人企業の皆様へ」によると、自社ホームページでの募集や求人広告に載せる場合は、求人票や募集要項に少なくとも次の項目を明示する必要があります(出典: 同リーフレットと、厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」、2026年10月時点)。

業務内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間、休憩時間、休日、時間外労働、賃金、加入保険、受動喫煙防止措置、募集者の氏名または名称です。派遣労働者として雇用する場合は、その旨(雇用形態: 派遣労働者)も示します。2024年4月1日から、次の3項目が追加されています。

  1. 従事すべき業務の変更の範囲
  2. 就業場所の変更の範囲
  3. 有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)

「変更の範囲」は、雇い入れた直後だけでなく、将来の配置転換などの見込みも含めた、契約期間中の変更の範囲を指します。大工として採用した人を現場管理の補助にも就かせる可能性があるなら、その旨を業務内容の変更の範囲に書きます。現場が複数のエリアにまたがる会社は、就業場所の変更の範囲に施工エリアを書きます。

項目 工務店での書き方の例(仮)
業務内容 (雇入れ直後)大工工事の補助 (変更の範囲)大工工事全般、現場管理の補助
就業場所 (雇入れ直後)自社作業場、◯◯市内の現場 (変更の範囲)会社の施工エリア内の現場
休日 日曜、祝日、◯◯。雨天で作業ができない日の扱いも書く
賃金(固定残業代がある場合) 基本給◯◯円(手当を除く額)/◯◯手当(時間外労働の有無にかかわらず◯時間分として◯◯円を支給)/◯時間を超える時間外労働分の割増賃金は追加で支給

賃金の欄の書き方は、リーフレットに示された固定残業代の記載例に沿っています。日給月給や各種手当がある工務店では、基本給と手当の内訳が見える書き方にしておきます。

募集の情報は、掲載した時点を明示するなどして、正確かつ最新の内容に保つ義務があります(同リーフレット)。募集を締め切った投稿は削除するか「募集終了」と追記し、ハイライトに残した募集のストーリーズも同じ扱いにします。賃金や休日を改定したら、採用ページと、募集を呼びかけた投稿の6項目を同時に直します。

採用用の投稿を、社内で続ける体制から考えたい方へ

現次の会社概要、住宅業界での支援事例、Instagram運用のサービス内容をまとめた資料をご用意しています。投稿をどこまで社内で担当し、どこから外部に任せるかを検討する材料にしてください。

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年齢・性別・体力の書き方で、避ける表現と言い換え

募集の投稿で年齢や性別を限定する表現は、募集・採用の規制に触れるおそれがあります。以下は、厚生労働省の「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」(令和7年4月1日現在版)と、「男女均等な採用選考ルール」のリーフレットで確認した内容です(2026年10月時点)。

避ける表現 厚生労働省の資料に書かれていること 言い換え
「20代限定」「35歳までの方」 募集・採用で年齢を理由とした制限を設けることは、原則として禁止されている 年齢を書かず、求める経験・資格・業務内容を書く
「35歳未満の方歓迎」 他の年齢層より優遇するもので、実質的に年齢制限と同じであり、法の趣旨に照らして適当ではない。例外事由に当たる場合は違法とならない 歓迎する条件を、経験や資格で書く
「年齢不問、要経験。ただし◯歳未満は未経験でも可」 「◯歳未満は未経験でも可」「◯歳以上は経験者のみ」は、例外事由に当たらない年齢制限が行われていると考えられ、不適切とされている。若年者を募集する「◯歳以下、経験不問」は例外事由(施行規則第1条の3第1項第3号イ)として可能で、年齢不問の求人と組み合わせる記載も認められるが、求人票を2つに分けるほうが適当とされている 経験の条件を年齢で分ける必要があるときは、求人票を「年齢不問、要業務経験」と「◯歳未満、経験不問」に分け、例外事由に当たるかを労働局に確認する
「体力に自信のある若者」 加齢による体力の低下は個人差が大きく、年齢で一律に制限するのは適切でない。求人では業務の具体的内容と必要な身体能力等を明示することが重要とされている。また、合理的な理由なく体力を要件にすると、男女雇用機会均等法上の間接差別として禁止されている 「材料の運搬は台車とクレーンを使う」のように、作業の内容と必要な動作を書く
「男性大歓迎」「男の職場」 「男性歓迎」は、募集職種の表示における違法事例に挙げられている 性別を書かず、仕事の内容と求める能力を書く
男性だけが写った現場写真を、男性を採用する方針で使う 男女いずれかを採用する方針で、一方の性に偏った職場を強調する写真やイラストを使うことが、違法事例に挙げられている 性別を限定しない旨を文面に書き、現場にいる人をそのまま撮る
「スタッフ全員が20代」 会社の事実の表示は直接には年齢制限に当たらないが、「20代でなければならない」と誤解させるおそれがないように努める必要がある 事実を書く場合は「年齢を問わず応募できます」を添える

年齢制限には例外事由が定められています。該当するかどうかは個別の判断になるため、迷う場合は都道府県労働局かハローワークに確認します。表の左の列は、投稿前のチェックリストにそのまま使えます。

社員・職人の顔出しと現場撮影は、同意を書面で残す

顔や姿が分かる写真は、個人情報保護委員会のFAQで、本人を判別できる写真の画像は個人情報に当たると説明されています。同じFAQは、利用目的を通知または公表する必要があり、プライバシーや肖像権の侵害に当たる場合もあるため、不特定多数への提供に際しては自主的に本人の同意を得る取組が望ましいとしています(出典: 個人情報保護委員会FAQ(会社の行事の写真を社内で展示する場合)、2026年10月時点)。

このFAQの質問は社内での展示で、インスタへの投稿は、直接の対象になっていません。ただしインスタは、不特定多数が見られる場所です。投稿に使う社員の写真は、同意を取って使う運用にそろえる方法があります。

同意書に書く項目 書き方の例(運用案) 書く理由
載せる媒体 Instagramのフィード・リール・ストーリーズ、自社の採用ページ 本人が使われる場所を知ったうえで同意するため
利用目的 採用活動の広報 利用目的を通知または公表する必要があるため
載せる情報 顔、氏名(姓のみ・名のみ・なし)、年齢、担当職種、入社年 氏名や年齢を載せるかどうかを、本人が選べるようにするため
期間と取り下げ 載せる期間、削除を依頼できること、依頼の窓口 同意を後から取り下げられるようにするため
退職したとき 退職後も載せ続けてよいかを、退職時に本人へ確認する 載せ続けるかを本人が決められるようにするため
他の人が写る場合 家族や子どもが写る場合は、その人(未成年なら保護者)の同意も取る 撮影した本人以外にも権利があるため

表の内容は運用案で、書式の正解を示すものではありません。就業規則や雇用契約書の文言に入れる場合は、社会保険労務士か弁護士に確認してください。

顔を出したくない社員には、手元、後ろ姿、道具、完成した造作を撮る方法があります。顔出しを断っても評価や配置に影響しないことを、社内で先に伝えておきます。断れない空気の中で取った同意は、あとで問題になるおそれがあります。

現場の実務者が、2026年に書いていること

note に公開された、現場側の書き手の記事を3つ読みました。どれも書き手の見解や自社の取り組みの報告で、内容は公式情報で裏づけを取っていません。

  • 宮大工の会社、有限会社白鳳社寺の広報インターン生は、2026年2月20日の記事「インターン生が学んだ宮大工業界のInstagram活用☆彡」で、広報を学生のインターンが担い、有償インターンで現場経験を積ませて若手の採用と育成につなげる方針を報告しています(記事を読む)。
  • 断熱会社の親方であるヨッシー親方は、2026年3月31日の記事「令和時代の職人の在り方」で、きつい・汚い・危険のイメージを残したままでは人が集まらず、待遇と労働環境の改善が要るという見解を書いています(記事を読む)。
  • 大工のタカ氏は、2026年6月5日の記事「【余白の記録#9】AI時代に「職人がかっこいい」と言われる理由」で、若い世代から職人の道に進んだ経緯を聞かれることが増えていると述べ、職人側も失敗談を含めてオープンに語る必要があるという見解を書いています(記事を読む)。

3つの記事は、見た目の格好よさより、育成の仕組み、待遇、失敗談のような、働いてみないと分からない事実を発信の材料にしている点で重なります。有償インターンのような受け入れ方を採る場合は、労働条件や安全の扱いを、事前に社会保険労務士など専門家に確認します。

投稿と応募対応を、社内で止めずに回す体制

撮る人、編集して投稿する人、内容を確認する人、応募に返事をする人が決まっていないと、特定の人に作業が集まり、投稿や応募対応が止まることがあります。次の4つの役割を、人の名前で決めておく運用案です。

役割 担当の例 決めておくこと
撮る 現場監督、本人 撮影してよい場面と、撮らない場面
編集・投稿 事務、広報担当 投稿の曜日と時間帯、素材の置き場
確認 代表、採用責任者 投稿前の3点チェック(下記)
応募対応 採用責任者 返信の期限、面接日程の出し方

投稿前の確認は、次の3点に絞る運用案です。

  1. 映っている人全員の同意があるか。お施主様と現場の管理者の了解を得た現場か。
  2. 応募先や募集職種を載せた投稿に、6項目が載っているか(載せるか迷う投稿は、労働局かハローワークに確認したか)。年齢・性別・体力の表現が表のとおりか。
  3. 募集を終えた投稿が残っていないか。採用ページと投稿の条件が一致しているか。

応募が届いたあとの対応も、投稿と同じく決めておきます。DMで届く問い合わせへの返信を担当者の個人の判断に任せると、返信が遅れる場合があります。返信が遅れると、応募者が他社の選考を優先することもあります。返信の期限と、DMに届いた問い合わせを電話かメールの窓口へ案内する文面を、先に作っておく運用案です。

この記事の運用案では、撮影と応募対応を社内に残し、企画・編集・分析は外部に任せる選択肢も考えます。撮影や応募対応を外部に委ねられるかどうかは、委託先との契約の範囲で確認します。

現次のInstagram運用代行では、月10投稿の企画立案・編集・公開・分析までを担当しています(出典: 住宅業界特化SNS運用×イベント集客支援パッケージ)。

外部に任せる場合も、投稿前の3点チェックは社内に残します。サービスの内容は住宅業界特化SNS運用×イベント集客支援パッケージのページで確認できます。

効果は応募数だけで見ない。応募の経路を残す

採用の成果は、応募の件数に加えて、応募フォームの回答でどの経路が挙がったかで見ます。応募フォームに「何を見て応募しましたか」の欄を作り、選択肢にインスタ、求人サイト、紹介、その他を置いて、複数選択にします。面接では、見た投稿があったかを聞きます。回答は応募した人の自己申告です。インスタを見たことと応募との因果は、回答だけでは決められません。

3か月の記録を、次のような表にまとめます(数字は仮の例です)。

指標 3か月の記録(仮) 読み方
採用ページの閲覧 120件 プロフィールのリンクと求人サイトの合計
応募 6件 閲覧に対する応募の割合は5%
応募フォームの回答 インスタと答えた応募2件、求人サイト3件、紹介1件 自己申告の経路。複数選択の場合は重複して数える
面接 4名 応募6件のうち面接に進んだ人
内定 1名 応募フォームの回答と面接で聞いた内容を、別に記録する

この仮の記録では、応募フォームでインスタと答えた応募が2件あり、全体の応募6件の3分の1にあたります。3か月間、インスタと答えた応募がまったく出なかった場合は、次の順で見直します。

  1. 採用ページに、募集要項の全項目が載っているか。
  2. プロフィールのリンク先が、採用ページになっているか。
  3. 募集職種に合う投稿が出ているか(大工を募集しているのに、営業の投稿しかない状態になっていないか)。
  4. 応募先を案内する投稿に、6項目と応募先が載っているか。
  5. 担当者が投稿を続けられているか。

導線が切れたまま投稿の内容を変えても、原因が直らないことがあります。

よくある質問

Q. 採用用アカウントは、フォロワーが少なくても作る意味がありますか?

フォロワー数より、応募を考える人が会社名で調べたときに、現場の様子と応募先が見つかるかで決めます。担当者が決まっていて、職種別の投稿を月に数本作れるなら、フォロワーが少ない段階でも作る意味があります。新しく作ったアカウントは、ストーリーズのリンクスタンプを使えない場合があるので、プロフィールのリンク欄に採用ページを置いて始めます。

Q. 求人の投稿の連絡先は、DMだけにしてもよいですか?

DMだけでは、厚生労働省のQ&Aが求める連絡先の記載になりません。同じQ&Aは、募集を呼びかける広告等の連絡先として、電話番号、メールアドレス、自社サイトの専用問い合わせフォームへのリンクのいずれかを書く必要があると答えています。DMを窓口に加えることを禁じる記載は同ページにありませんが、そのうえで上記のいずれかを書きます。

Q. 社員が顔出しを嫌がる場合は、どうしたらよいですか?

顔出しは強制せず、手元、後ろ姿、道具、完成した造作で職場の様子を見せます。断った社員の評価や配置に影響しないことを、先に社内で伝えます。顔を出す社員には、媒体、目的、期間、取り下げの方法を書いた同意書を取ります。

社内で最初に決める5つのこと

最初の1か月で、次の5つを決めます。

  1. 集客用と分けるかどうか。担当者が決まらなければ、1つにまとめる。
  2. 募集する職種と、職種ごとに出す投稿の種類。
  3. プロフィールのリンク先(採用ページ)と、そこに載せる募集要項の項目。
  4. 募集を呼びかける投稿に載せる6項目と、連絡先の窓口。
  5. 社員と現場の撮影に関する同意書の書式。

5つのうち、最後の同意書は、投稿を始めてから作ると、撮影済みの素材に同意が無い状態になりかねません。最初の1枚を撮る前に、社内で書式を決めます。

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